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解散当時までの取引その他の業務に結末をつけること(現務の結了)清算人は、現務の結了のために必要であれば、解散当時に締結されていた売買契約の履行のために商品を新たに買い入れるような積極的な行為も行うことができます。
債権の取立て清算人は、履行期の到来している債権の取立てを行うほかに、相殺をして債権を回収したり、和解契約を締結したり、債権回収のために抵当権を実行したりすることもできます。
債務の弁済清算人は、LLPの債権者に損害を蒙らせないように、組合財産をもってできるだけ組合債務を弁済する義務があると考えられます。
このため清算人は、就任後遅滞なく、LLPの債権者に対し、2ヵ月以上の一定期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、さらに、知れている各債権者には催告しなければなりません(法46条1項)。
この期間内に申出をしなかった組合債権者は清算から除斥され、分配がなされていない残余財産に限り、弁済を請求することができます(法50条)。
この規定により、清算事務の円滑な遂行が可能となります。
債権申出期間中は、裁判所の許可を得た場合を除き、清算人は、清算中のLLPの債務の弁済をすることができません。
しかも、この場合において、清算中のLLPの組合員は、債務不履行によって生じた責任を免れることができません(法47条)。
清算人は、条件付債権や存続期間が不確定な債権等、その額が不確定な債権に係る債務についても、鑑定人に債権の評価を受けた上で弁済することができます(法48条1項)。
この制度も、組合債務の弁済を可能な限り行ってLLP債権者を保護するための規定だといえます。
二残余財差の引渡し清算人は、清算中のLLPの債務を弁済した後でなければ、当該LLPの財産を組合員に分配することができません(法49条本文)。
この規定によって、清算時における組合債権者の保護が図られています。
残余財産は各組合員の出資の価額に応じて分割することになります(法56条、民法688条2項)。
なお、清算中のLLPの組合員が死亡した場合に、その組合員の相続人が2人以上いるときは、清算に関して当該組合員の権利を行使する者1人を定めなければならないとされています(法55条)。
すでに述べたように、LLPの組合員が死亡した場合は脱退事由となり、その組合員の相続人が組合員の地位を自動的に承継することはありません。
しかし、LLPが清算の段階に入っている場合、組合員の能力や個性を活用してLLPの事業を行っている状態と異なり、組合員の個性はそれほど重視されませんし、死亡した組合員がLLPを脱退し、持分払い戻し請求権が通常の相続財産として相続の対象になるとすると、権利関係が複雑になって清算事務に支障をきたすおそれがあります。
そこで、組合員の死亡による脱退制度の特例として、このような規定が設けられたのです。
清算人の業務執行方法清算人が数人いる場合は、清算に関する業務執行は、清算人の過半数をもって決定します。
ただし、清算の常務は、その完了前に他の清算入が異議を述べない限り、各清算人が単独で行うことができます(法41条1項)。
LLP契約中にLLPの業務執行についてすべて総組合員の合意を要求するような規定があっても、その規定は清算人の業務執行には適用されないと考えられます。
清算の段階においては組合財産の減少を防止するためにも迅速な処理が必要であり、そのような場合に総組合員の同意を要求すると、結局清算が不可能になって組合債権者に不利益を与えるおそれがあるからです。
また、清算人の業務執行については、LLPの業務執行と同様に、委任に関する規定が準用されます(法41条3項、民法671条)。
清算人の責任清算人がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、当該清算人は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負います(法42条1項)。
清算人が複数いて他の清算人にも損害賠償責任がある場合には、連帯して賠償責任を負います(同条2項)。
(5)清算の終了清算人は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、清算に係る計算をして、組合員の承認を受けなければなりません(法51条1項)。
組合員が1ヵ月以内に異議を述べなかったときは、組合員は、当該計算の承認をしたものとみなされます。
したがって、承認を受ける方法としては、清算人が作成した計算書類および報告書を各組合員に送付し、異議があれば1ヵ月以内に申し出るように付記する方法で足りると考えます。
ただし、清算人に不正行為があった場合には、清算に係る計算は承認されたとはみなされず(同条2項)、再度適正に計算をさせることになります。
組合の清算が終了したときは、上記の承認の日から、主たる事務所の所在地においては2週間以内に、従たる事務所の所在地においては3週間以内に、清算結了の登記をします(法64条)。
そして、清算人(LLP契約または総組合員の過半数をもって帳簿資料を保存する者を定めた場合にはその者)は、清算中のLLPの主たる事務所の所在地における清算結了の登記の時から10年間、清算中のLLPの帳簿およびLLPの事業と清算に関する重要な資料を保存します(法52条)。
これでLLPの清算手続が終了し、LLPは消滅します。
LLPには法人格がありませんから、法律上の権利義務の主体とはなり得ません。
しかし、LLPには各組合員の固有財産とは区別された組合財産があり、それを基礎としてLLP固有の事業目的があり、各組合員が有機的に連携しながら、LLPの利益のために(=LLP契約の本旨に従って)、業務執行機関として機能することになります。
したがって、各組合員は、自らが出資者であり、組合持分の所有者であるにもかかわらず、自己の利益のためではなく、LLP契約によって組成された有機的な事業体のために、善良なる管理者の注意義務をもって執行する義務を負います(法56条が準用する民法671条)。
各組合員の個々の利害とは独立したこうした善管注意義務によって守られる利益の担い手としての事業体を、LLP法は経済的な価値の帰属主体と観念して組合と呼び、その法文中で「組合の債権者」「組合の解散」等の表現を用いています。
社会生活においても、分析的にいえば、法律上はLLPのための活動による権利義務とその経済的な効果が各組合員に合有的に帰属するのだとしても、そのことを常に説明的に明らかにしながら他者との関係を築かなければならない訳ではありません。
むしろ、法律で要求されない限り、権利義務の主体となり得ないことを了解しつつ、LLP名義での法律行為を認めたほうが当事者にとって便宜です。
民法上の組合についても同様のことがいえますので、リース契約や保険契約等では、実務上組合名義で契約が締結されています。
その他の事業のための契約でも、多くの場合、組合名義で代表者(業務執行組合員)が署名または記名押印する方式により契約の締結がされています。
従来民法上の組合名義での契約を認めてきた分野においては、LLPについても、LLP名義での契約が当然認められるでしょう。
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